- • • • The 10th CAT FINAL (Contemporary Art Trial) • • •
- 〜人口光の中で、演じられらた集団劇〜
- ここは、不思議な空間。多くの美術館やギャラリーがホワイトキューブであるのに、ここは真逆。TVスタジオのように真っ黒に塗られた天井近くには、スポットライトが並び側壁も濃い灰色で塗装されている。
- 多目的な利用ができる空間は、音楽演奏や演劇などに対応できるように作られている。
- ここでは、私の作品も登場人物の一部のように静かに空間に収まり、少しの主張を求められる。音付きの私の作品は、初めて閉鎖されていない空間でも自立できたようだ。
- • • • 四角い空間の中のColor Chart • • •
- 独立した部屋を川越美術館の市民ギャラリーの隅に作った。天井高はあるが、八畳ほどの狭く四角い空間だ。
その中に、軽く、柔らかで、かすかに聞こえる鼓動のような、音を感じるられる「場」を作りたかった。
スリットの入り口を発見できた訪問者は、各個のイマージュと各個の色を見つけてくれただろうか。
- • • • The Color Chart of Ho Chi Minh City, Vienam • • •
- 7年ぶりに訪れた、サイゴンの街は相変わらず刺激的だ。
ホテルを出れば、サングラス、ライター、のしいか、扇子から財布、果物、お菓子の物売りが声をかけてくる。
ものだけでなくマッサージも、バイクタクシー、シクロの運転手も声をかけてくる。
今、路上は、新車が増え高級車も多く走る。バイクも増えている。
上を見上げれば、高層ビルの建設ラッシュである。一日中、バイクと警笛音が耳からは慣れない。
だが今回何より刺激的だったのは、入場料の必要な美術館で行った展覧会そのものだった。 多くの見知らぬ人が、「color chart」を見て、話しかけてきた。若いベトナム人や、ガイドブックを片手の欧米人が多く話しかけてきた。 今回の「color chart」は、私自身をも刺激したらしい。
- • • • 委ねられたカラーチャート (The Color Chart of Yogyakarta at Affandi Museum) • • •
- インドネシアのジョグジャカルタにある、大きなギャラリーや美術館の中にあって、このアファディー美術館は、異彩を放っている。
2度ほど下見をかねて訪れ、我が作品の展示状況を頭に思い浮かべてはいた。
しかし、6月の展覧会は、現地まで出かけられず、搬入・展示のすべてを友人に託した。 人に委ねられた、設置作品は、私の中でどんな位置づけがされるのだろう。
映像でしか知らない私の作品は、少し私に冷たく揺れているように見えた。
- • • • The Color Chart of Yogyakarta, Indonesia • • •
- Art Under the Volcano: The 6th an International Art Symposium
この建物の使用許可がでたときはほっとした。会場の地に着いたとき、不安は、的中した。リゾートホテルだ。日本の沖縄のそれとなんら変わりはない。
だから、この建物と出会えたことはとてもすばらしいことだった。なぜなら、そこにはかすかに、でも確かにインドネシアがあったからだ。雑然とした物置のトタン屋根に激しく降る雨も、強い風も吹き抜ける。
今回は、雨の、風の、日差しの強弱もカラチャートのサンプルとなった。
- その小学校の校舎の内部に、20m × 20mの石の床の広場があり、12mほどの高さ(3階建て)の天井まで空間が広がっている。
インドネシアから帰ったその日に、電話で、2週間後の展示依頼があった。
12mの天井は、インドネシアでできなかった、椰子の高さほどあった。
断ろうと思って会場に出かけたが、空間を見たとたんその気持ちを覆す魅力を感じた。
数人の力を借りて、広場は、インドネシアになった。
- • • • The Color Chart of Paraza, France • • •
- Parazaの町は、美しい。水と木々、壁と扉、屋根と花。それらが持つ色彩が絶妙なハーモニーを織り成す。色彩の探求者たちが、やって来た当時の空気を残した、古くそして新しい町。数百人の町に17もの違った国籍を持つ人々がすむ町その事自体が、この地の魅力と新しさを表している。私の作品は、町で出合った木々や建物の部分を色として示したものである。この町に居るわずか時間とほんのわずかな範囲内を色彩見本として提示しようと試みたのである。もちろん、それがこの町に住む人の美しき魂をも表すことが出来たら、幸いである。
- • • • The Color Chart of Tokyo • • •
- 犬といつものように散歩する。
石神井川の両岸は、散歩の小道に多くの種類の街路樹が植栽されている。
犬はいつものように、におい嗅ぎ頭が垂れる。
私は、犬から目を離し、幾つかの枯葉を拾い、幾つかを目に焼き付ける。
集合住宅の、白い壁面にも冬の色が映っていた。
ここも、TOKYO。
作品は、イタリアに旅立った。